Clash Verge Rev とは何か

Clash Verge Rev は、デスクトップ向けの Clash 系 GUI クライアントのひとつで、内部で Mihomo(旧称 Clash Meta)コアを動かしてトラフィックをルールどおりに振り分けます。名前に「Rev」と付くフォーク系列は、コミュニティ側でメンテナンスが続けられており、Clash for Windows(通称 CFW)の開発が停滞したあとも、見慣れた「プロファイルを選んで接続する」体験に近い運用を取り戻しやすい点で注目されています。

技術スタックは Tauri ベースの軽量 GUI が多く、Windows に加え macOSLinux 向けビルドも揃っているため、「職場は Windows、自宅は Mac」といった環境でも同じ考え方で設定を再利用しやすいのが長所です。コアの新プロトコルや DNS の挙動は Clash Meta(Mihomo)アップグレードガイド とあわせて読むと全体像が掴みやすくなります。関連記事の一覧は 技術ブログのトップ から辿れます。

なぜ「CFW の後継」として語られるのか

CFW は長らく Windows ユーザーにとって標準的な GUI でしたが、上流のライセンス変更や開発体制の変化に伴い、安全な更新が期待しづらいクライアントに留まり続けるリスクが高まりました。後継を選ぶ際の実務的な基準は次のようなものです。

  • コアが追従しているか:Mihomo のリリースに合わせて、GUI 側が同梱コアや更新チャネルを整備しているか。
  • 設定の持ち運び:購読 URL、ルール、プロキシ定義を YAML/プロファイルとして扱えるか。
  • 接続モードの選択肢:システムプロキシだけで足りるケースと、TUN が必要なケースの両方に対応できるか。

Clash Verge Rev はこれらを満たしやすい位置にあり、名称だけでなく実際のリリース頻度と Issue 対応を見ながら採用するのが賢明です。利用にあたっては、所属組織のネットワーク規約や契約、各国・地域の法令を順守してください。

用語メモTUN モードは、OS レベルで仮想ネットワークインターフェースを作り、プロキシ非対応アプリのトラフィックもルール下に載せる方式です。管理者権限やセキュリティソフトとの相性が絡むため、導入時は説明ダイアログを飛ばさずに読む習慣が大切です。

インストールと入手経路の考え方

実行ファイルは OS アーキテクチャ(x64/ARM64 など)と一致している必要があります。当サイトではプラットフォーム別の入手先を 公式ダウンロードページ に整理しており、読者にはまずそこから自分の環境に合うパッケージを選ぶ流れを推奨します。macOS では開発元未登録の場合、初回のみセキュリティ設定や右クリックからの開封が必要になることがあります。

Linux では配布形式(.deb.rpm、AppImage など)によってインストールコマンドが異なります。手順の細部は ドキュメント の該当節も参照してください。アップデート後に動作が変わった場合は、GUI のバージョンだけでなく同梱コアの版をログや設定画面で確認すると原因に近づきます。

初回起動:プロファイルと購読 URL

起動後はまずプロファイル(設定の束ね)を用意します。多くの運用では、提供者から渡される 購読 URL を GUI の「インポート」や「URL から取得」に相当する項目へ貼り付け、取得した設定を有効化します。ここで失敗しやすいのは次のような点です。

  • URL の末尾に余分な空白や改行が混入している。
  • 期限付きトークンが切れている、もしくは IP 制限に引っかかっている。
  • 取得は成功しているが、有効なプロファイルとして選択されていない

プロキシ一覧が空のままでは接続テストもできません。取得後にノード名が並ぶまでをひと通り確認してから、システムプロキシや TUN を有効にしてください。

システムプロキシと TUN:どちらを使うか

システムプロキシが向く場面

ブラウザやプロキシ対応アプリが中心で、OS 全体を仮想 NIC で覆う必要がない場合は、システムプロキシだけで十分なことが多いです。構成が単純なぶん、権限の要求も TUN より軽い傾向があります。

TUN が必要になりやすい場面

ターミナル上の CLI ツール、一部のゲームランチャー、企業 VPN と併用する特殊な構成など、明示的にプロキシを参照しないアプリをルール下に載せたいときは TUN を検討します。競合するフィルタドライバや別製品の「全体 VPN」があると不安定になるので、その場合はいったん他方を切って切り分けてください。

ルールと DNS を読み解く

Clash 系の強みは、ドメイン・GEOIP・プロセス名などに基づいて DIRECT とプロキシを切り替えられる点にあります。外部ルールセットを取り込む設計は Rule Providers 上級ガイド が参考になります。また、名前解決の経路がずれると「接続は通るのに遅い/漏れている」ように見えることがあるため、DNS まわりは DNS 漏洩防止ガイド と併せて整えると安心です。

体感速度だけを追うなら、ノード品質に加えて 高速化のコツ にあるように、購読の更新間隔や url-testfallback グループの設計も見直す価値があります。

CFW から移行するときの勘所

完全な自動移行が保証されるわけではありませんが、次のような順序で進めると手戻りが少ないです。

  1. 現行の 購読 URL とカスタムルールをテキストで控える(画面キャプチャよりコピペが確実)。
  2. 新クライアントで同じ購読を取り込み、ノードが期待どおり列挙されるか確認する。
  3. ルールの差分(ローカルで足していた RULE-SETscript など)を YAML エディタで移植する。
  4. 最後にシステムプロキシ/TUN を有効化し、実アプリで疎通確認する。

Windows のユーザー設定フォルダに残った古いファイルをそのまま信頼せず、中身を読み比べてから取り込む姿勢が安全です。パスやファイル名はバージョンで変わることがあるため、公式のリリースノートもあわせて確認してください。

コア更新と「動かなくなった」とき

Mihomo 側の仕様変更で、古い GUI が想定していないキーが増えたり非推奨になったりします。症状が出たら、まずアプリ内のコア更新機能で最新系に揃え、それでもダメなら GUI 本体のアップデートを試してください。ログに proxy 型の解釈エラーや DNS ループの兆候が出ていないかも手掛かりになります。

よくある症状と切り分け

プロキシはオンだがブラウザだけ不通

ブラウザ拡張の独自プロキシ、DoH の固定、PAC の残存などを疑います。シークレットウィンドウや別ブラウザで再現するか見てください。

TUN を有効にすると全体が不安定

他社 VPN、フィルタリング製品、社内ポリシー製品が競合している可能性があります。いったん TUN を切り、システムプロキシのみで再現するか確認します。

購読は取れるがノードが表示されない

取得した YAML が空ではないか、エンコーディングが壊れていないか、プロファイルの選択が切り替わっているかを確認します。

注意:本記事は技術的な設定の読み方を共有するものであり、規約違反や違法行為を助長する意図はありません。職場・学校・サービス契約の範囲内でご利用ください。

ソースコードとコミュニティ

UI の不具合やパッケージングに関する議論は、プロジェクトの GitHub リポジトリ に集約されることが多いです。インストール済みバイナリの入手と更新手順の主導線は、引き続き当サイトのダウンロードページ側に置いています。

まとめ:GUI とコアをセットで保守する

Clash Verge Rev は、CFW 時代に慣れた「ルールベース運用」を現行の Mihomo コア上で続けるための現実的な選択肢のひとつです。購読の健全性、プロファイルの選択、システムプロキシと TUN の使い分け、そしてコアと GUI の更新をセットで見ることで、突発的な不整合に強い運用がしやすくなります。

同じノード情報でも、DNS プリセットやルールの肥大化で体感は大きく変わります。複数プロトコルや高度なルールを扱うなら、Clash 系の設定空間にまとめておくメリットは依然として大きいでしょう。実機で遅延と安定性を比較し、自分の端末と回線に合う組み合わせを選ぶのが近道です。→ Clash を無料ダウンロードして、Clash Verge Rev を含む最新クライアントを試す